韓国ドラマ サンオ(サメ) 資料室

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12 「サンオ(鮫)」11話レビュー 我慢できない矛盾

「サンオ(鮫)」11話レビュー 我慢できない矛盾
2013-07-0205:05



・ぬれぎぬの目的

チョ・ウィソンの罪をその娘であるチョ・ヘウが暴露した。 
創立記念会場に流れた音声ファイルはヘウが本映像の出所だったというのが事実だ。 
ヘウに故意があったかなかったか、それはヘウ自身、あるいは周囲の人々だけが知っていることだ。 
そしてヘウは父を任意同行できるように動画を直接警察に提出した。 
すでに以前から父の罪を知っていて、反省しない態度を見て真実を明らかにすることに決心したのだろうが、暴露はヘウの恣意ではなく、誰かが送った動画によるものだった。 
しかし、動画を送った人が果たしてヘウがその動画を調整室で見るつもりということまで予想したのだろうか。 
ホテルの職員が駆け付けるやいなや隠したUSBにはどんなファイルが入っていたかどうかがカギだ。

チョン・マンチョルの殺害現場をそのまま模倣したオ刑事の殺害現場。
しかし、円は歪み、犯行道具は注射器ではなく、毒針だった。
ハン・ヨンマンを殺害したのと同じ方式で。
ヘウの推理通り、ボールペンを持った男はプロで強固な背後を持っている。
そんな彼が模倣犯罪を犯したのは、イスに連続殺人の濡れ衣を着せためのものであり、宣戦布告だっただろう。

動画を受けなければならない人は元々ヘウではなかった。
おそらくチョ・ウィソンやチョ・サングク。
しかし、自分の罪を悟ることのない彼らが映像を見たとしても、受ける衝撃は明らかなる水準。
彼らがもっと辛く驚くのはヘウが真実を知るようになることだろう。
濡れ衣をきせる目的は、普通は自分の罪を隠すこと。
しかし単にそれだけでは下の下。
自分の罪を隠すと同時に敵に打撃を与えられてこそ当たり前。
映像の暴露者を自分ではなくヘウにしたイスのように、オ刑事殺害犯を自分ではなくイスにするチョ・サングクのように。


・我慢できない矛盾

法頂法師が「無所有」を絶版にして回収したのは、無所有を志向する人生を実現するためのものだった。 
それにもかかわらず人々は、お坊さんの入滅直後のその本を所蔵するため、何倍もの価格を払ってまでも購入した。 
金持ちが<なぜ世の中の半分は飢えるか>という本を読むことや、美容整形外科に座った女性たちが<心の修練>という本を読むことなど。 
言行不一致で自家撞着(注1)に溺れた人たちが本棚をあふれさせるが、彼らは決して分からない。 
自分たちが何を言い触らして何をしているかを。

罪を犯したら穏当に許しを請うべきだというチョ・サングク。 
命を取り変えてでも、被害者家族に返してあげたい気持ちだと、最善を尽くして許しを請うという。 
ボールペンを持った男は警察を詐称し、何度も写真を見せていないかと尋ねた。 
証拠に満ちたチョ・インソクの生家は燃やした。 
文書を見た人、写真を見た人、全てを殺した。 
自分の息子を捨て駒にしてまで罪を隠したにもかかわらず、大勢の被害者を生みだしてまでも謝罪どころか、罪を認めることさえしなかったにもかかわらず、彼は騒ぐ。 
罪を認めて許しを請うと。

チョ・サングクは知らない。 
「無所有」は文章として書かれ読んだ瞬間から「所有」だということを。 
容赦は真心がなければ受けることができないということを。 
被害者の心はカメラを同行して駆け付け、ひざまずく程度では治まることがないことを。 
そして真実はいくら燃やし命を奪ってもしっかりと蘇る復活の存在だということを。


・その人の痕跡

パク女史の予想外の訪問。 
おかずを包み持ってきた彼女の行動はなんとなく母のようだ。
息つく間もなく進行されることの中で、もしかしたらたまには忘れたかも知れない父。
彼女の多感な目つきが、暖かい手が、父を思い出す。
父に片思いをしたと語っていた彼女。 
だから私を息子のように思っているのか。
子どもの頃に戻った気持ち、長い間感じていなかった温かさに、しばらく気が抜けたままパク女史の後ろ姿を長く見つめるイス。

跡形もなく消える人はない。 
しかし、明確な痕跡を残す人は珍しい。 
残るのは時間が経つにつれて散る記憶の破片、その人が残した物、たまに似てる人が過ぎたら思い出すその人の顔と声、そしてその人をまだ覚え愛している残った人々。

いつか吉村会長が来た時にイスといた記憶が浮かんだしたパク女史、キム・ジュンの手で輝くサメのネックレスを見た時のヘウ、キム・ジュンの声でお兄さんを思い出したイヒョン、映像の中のハン・ヨンマンという名前でもう一度のイスを思い出したドンス。 
もしかしたら人が残す痕跡の中で最も強いのは、人かもしれない。
彼を記憶する人、愛する人、嫌う人までも。 
何も持ず短く生きて消えたイスだが、彼を記憶する人々がいて終わることなく呼ばれ存在することができるのだから。


・存在の証明

ずうずうしさの極致であるチョ・サングクの記者会見。
吐きだす言葉ごとに偽りと虚飾にまざる彼の顔を見てこらえることができず、イスは直接電話をかける。 
感動、勇気、手本。
すでにキム・ジュンをハン・イスと疑っているチョ・サングクが、言中有骨(注2)の通話内容を聴いて、推察できなかったわけがない。
自身がハン・イスであることを迂回的に明らかにしたが、全く動揺することがないイス。

スマートキーを持って突然訪れたヘウを見て驚いた時とは異なり、イスは夜遅く訪ねてきた彼女を家に入ってこいという。
正体が暴かれることも、自分の感情が揺れるのも甘受するというように。

すでにハン・イスの証拠を1つずつ送ってきたので、これぐらいになると、ヘウが自分を調べあげる頃だろうと予想したのだ。
急に「イス」と呼ぶ彼女の前で知らぬうちに心を流すようになったのも、計画にあっただろう。
ハン・イスだと証明して示せばハン・イスになると言って、ヘウを刺激すれば、彼女はもっと事件に深く陥るだろうからだ。
正体を誇示するものはこれ以上問題にならない。
ヘウを事件の中心に引き入れ、チョ・サングクの真実を証明することが重要なだけ。

しかし、彼女が哀願する。
いつか私が言った言葉通り、くだらない人々のために同じようになってはいけないということを言う。
涙を流しながら私を探すために地獄の果てまで行くという。

ヘウの言葉を聞かなければならない。
やめなければならないのか。 
いや、彼女は世界の真実を知らずに、定義を云々するお姫様に過ぎない。
まっすぐな人になるのかと彼女は聞いた。
しかし、世間は正当でない、まったく同じ条件では勝てない。
残忍な彼らに勝つには、彼らよりもっと残忍になる必要がある。
12年もかかったのはそのためだから。
止めなければ帰って来られないと言っていたが、彼女は依然としてできない事のために苦しんでいる少女に過ぎない。
ハン・イスとして帰ってくるためにも、この復讐は止められない。
止まると、今度は本当に死ぬかもしれないから。

※本レビューの説明、例示、推測などの内容はレビューアの見解で、ドラマの内容と異なる場合があります。

(注1)自家撞着(じかどうちゃく) 同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。
(注2)言中有骨(オンジュンユゴル) 韓国の四字熟語。何気ない言葉の中に風刺や含みのあること。

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by sang-eo | 2013-07-07 23:55 | →シャハールの水族館 和訳

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